COLUMN
コラム 親が否定する
否定ばかりの親と期待を押し付ける親、心理を解説
こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
あなたの親は、
「○○するべきだ」とか
「誰だって○○している」
なんて言いますか?
あなたが親とは違った意見を言ったり、
親の考えとは違う生き方を選んだときに、
あなたを責めたりしますか?
もし、あなたの親が
そういうことを言ったり
やったりする人なのであれば、
とにかくあなたに従うように求めてくるし、
従わないといつまでも批判して
くるのではないでしょうか。
そんなとき、親の心のなかでは
何が起こっているのか?
これを知らないと、
いつでも親の顔色をうかがい、
不安になってやりたいことも
やれなくなってしまいます。
今日はね、
「子どもに期待を押し付ける親」
「子どもの決断を否定する親」
の心理メカニズムを解説していきますよ。
これを知って、
親に惑わされずに生きられる
あなたを目指してみてください。
否定する親は被害者意識が強い人
子どもであるあなたの決断を否定し、
期待を押し付けてくる親というのは、
被害者意識が強い親です。
あるあなたが親の思うとおりの
生き方を選ばなかったとか、
親を大切にしてくれるような
関わりを持ってくれなかったとか、
とにかく自己中心的な考えで、
自分が満足するかしないかで
子どもを責める親です。
そんな親は、
思いどおりにならないと
被害を受けたと感じて、
満足させてくれなかった
あなたを攻撃します。
攻撃にもいろいろとありますよ。
感情をコントロールできない親であれば、
怒ってひどい言葉で責めることもあるでしょう。
依存的な親であれば、
冷たい態度を取るとか
無視するということをよくします。
なんで攻撃的になるのかというと、
親は自分が被害者である
ということを証明したいからです。
そして、従わなかったあなたが
いかに悪いことをしているのかも
証明したいからです。
親の期待はかなえられて当たり前だと思い込んでいる
もちろん、
あなたの間違いや親の正しさを
証明することなんて実際にはできないんです。
あなたを思いどおりにしようとする
親のほうに問題がありますし、
あなたの人生はあなたのものですから、
親に従う必要もありませんね。
でも、心に問題を抱える親はそんなことはおかまいなしです。
子どもの権利を尊重するよりも、
親の期待や願望を優先して押し付けます。
親の期待や願望をかなえるのが
良い子どもであり、
苦労して子どもを育ててきたのだから、
それくらいするのが当たり前だと
思い込んだりしているからです。
さらに、
期待や願望を押し付ける親というのは、
「自分の力で生きない」と
決めている傾向が強くなります。
どういうことかと言うと、
人ってやりたいことをやっているときが
幸せに感じるじゃないですか。
やりたくないことをやらないときは
自由を感じたりすることもできます。
親だって同じ。
親も自分がやりたいと思うことは
自分の力でやっていいはずなのに、
子どものあなたに押し付けているということは、
親の人生は幸せに向かっていないことになります。
そういう親は、
自分の力で生きるという
発想がありません。
うまくいかないことがあると
すぐにあきらめますし、
不具合が起こるとすぐに逃げようとします。
なぜならば、傷つきたくないからです。
そして、傷つきたくないからあなたに押し付けるんです。
そういう生き方をしてきた親というのは、
心のなかで自分の力で生きないと決断しています。
最初からできない言い訳が多く、
うまくいかないことがあれば
誰かのせいにします。
親は子どもから不安を与えられているという錯覚を持っている
かなえてもらえるのが当たり前だと
思いこんで期待や願望を押し付けるのですが、
当然あなただってやりたくないことは
やりたくありませんよね。
断ることもあれば、
嫌々やったとしても表情は
暗く沈んでいるかもしれません。
だけど、そんなあなたを見た親は、
「親に従うのが良い子」という理想から
かけ離れれていると思うはず。
そうすると、
自分の力で生きないと決めている親は
不安を感じるでしょう。
あなたが願望も期待もかなえてくれなければ、
親はいつまでも良い気分にはなりませんし、
従順なあなたを見なければ、
今まで苦労してきた子育ては
無駄になったのではないかと
考えるかもしれません。
そうやって親は自分で不安を生み出すんです。
でも親自身は自分が不安を生み出して
いるなんてことには気づけません。
被害者意識が強いですからね。
他人のせいですからね。
だから、親が感じている不安は、
子どものあなたが与えたものだと
錯覚するんです。
従わない子どもが間違っていると思って許せない
そして、親が押し付ける期待や願望が強いほど、
理想と現実の乖離が生まれて
被害者意識が強くなっていきます。
それによって、
不安も大きくなっていき、
怒りの感情も、恨みつらみも
強くなっていきます。
さらに、
「私が子どもにかけてきた時間もお金も無駄になった」
なんていう、損をしたかのような気持ちも出てきて、
ますます被害者意識は増大していきます。
これが、心に問題を抱える親が
子どもの生き方を尊重できず、
従わない子どもを許せずに
攻撃するメカニズム。
あなたにとってみれば、
ただの言いがかりみたいなものですね。
親はあなたが悪いと言っては攻撃しますが、
あなたにはなんの落ち度もなかったりします。
親の期待をかなえていると親はますます依存してくる
今までのあなたは、
親に恐怖心や罪悪感を感じて
嫌だと思うことも我慢して
やってきたのかもしれません。
そうすることでしか、
あの親から心を傷つけられるのを
防ぐ手立てはなかったのかもしれません。
しかしそれをしていると、
親の問題はますます強くなっていきます。
自分の力で生きないと決めている親に対して、
あなたが何かをやってあげるということは、
「親は子どもに依存していい」という
許可を毎日のように与えている
ということになるからです。
あなたのほうから
「どうぞもっと依存してください」
と言っているのと同じです。
あなたがまだ自分の力で生きられなかった
幼少期の時代であれば仕方のないことなのですが、
今すでに成人して働いているのであれば、
親の期待や願望をかわりにかなえてあげる
のは依存を助長することそのものです。
許されなくてもいい
許されなくてもいいんです。
あなたが自分の人生をどう生きるかについて、
そもそも親に許可を取る必要はありませんし、
親が腹を立てたからといっても
謝罪する必要もありません。
あなたが幸せに生きるために
決めた生き方なのであれば、
それはあなたにとって
良い決断であるはずです。
それを親の価値観においては
悪い決断だと判断しているだけであって、
他人の価値観で良し悪しを
判断されるものではありません。
親にハンドルを握らせて、
どこに連れて行かれるのか
わからないドライブをするよりも、
自分の運転で
行きたいタイミングで
行きたいところに行くという
人生のほうが健康的です。
理解させなくてもいい
親が子どものあなたに
期待や願望を押し付けて
傷つけていることを
理解させる必要もありません。
理解させようとしても親は拒絶をするでしょう。
拒絶する親に理解させるのは至難のわざです。
あなたの貴重な時間も精神力も
相当に費やさないと
いけないかもしれませんし、
頑張っても
親が理解してくれる保証は
どこにもありません。
癒着していると親と離れられなくなる
なかには、「親の期待や願望を
かなえてあげないとかわいそうだ」
と思う人もいるでしょう。
「生んで育ててくれたのかだから
恩返ししないと申し訳ない」
と思う人もきっといますよね。
でも、その考え方をしているときは、
親とあなたの心が「癒着」しているときです。
癒着とは、
心と心が一つに重なり合って
くっついてしまっているような状態です。
癒着しているときというのは、
親が怒れば「私が怒らせてしまった」
と思って自己批判が強くなります。
親が悲しんでいれば
「私が傷つけてしまった」
と思ってしまいます。
そして、いつでも
親の顔色をうかがって
怒らせないように言葉を選び、
嫌なことでも無理してやって、
自分のやりたいことは我慢してあきらめ、
親の前では従順な子どもを
演じるようになります。
親に認められないと
いけないような気がしたり、
愛されない自分に
価値を感じられなかったりして、
ことさらに親に従うようになります。
そうやって、
今まであなたが親に自己犠牲
をしていたから、親はあなたが
期待や願望をかなえてくれるのが
当たり前になっていき、
親にとってみたらまるで
子どもの心が自分の心のようになり、
あなたにとってみたら、
親の心が自分の心のようになって
しまったのかもしれません。
癒着の状態はそうやってつくられていきます。
親と分離することの大切さ
癒着を解消していくには、
分離していくことです。
親の人生は親のものであり、
あなたのものではありません。
あなたの人生はあなたのものであり、
親のものではありません。
親のやるべきことは親がやります。
親は自分の人生を自分の力で生きていきます。
あなたがどう生きるかは、
あなたの判断によって決めていきます。
親から指図されても従う必要はありません。
参考程度にするのは問題ないでしょうが、
親からなにかか言われたとしても、
判断が変わることはありません。
こうやって、
親の領域と子どもであるあなたの領域に
分けていくことを「分離」と言います。
あなたが親と分離して、
自分の人生を自分の判断で
生きるようになると、
親も自分の人生を自分の責任で
生きるようになります。
とは言っても、
そうなるのは少し先のことです。
親も少しずつ時間をかけて変化していくものです。
子どもに期待や願望を押し付けている親は、
自分の力で生きないと決めているとお伝えしました。
こういう親には説得はききません。
大切なことは、
あなたが親の期待や願望を
かなえないようにすることです。
それはすなわち、
親の依存を受け入れないということです。
依存関係は、
依存する人と依存を受け入れる人
のペアで成立します。
親が一人で依存を
つくっていたわけではなくて、
あなたが親の依存を受け入れて
いた部分があるから、
癒着ができあがったと
いうことになるんです。
だからこそ、あなたが
「私はもう依存を受け入れない」
と決めることが重要。
あなたが親の依存を
受け入れなくなったら、
親はやっぱりあなたを許せずに
攻撃をするでしょう。
でも、依存的な親が
自立していく過渡期は
攻撃的になることがほとんどです。
親は攻撃しても子どもが従わないから、
攻撃しても無駄だと知って
徐々にあきらめていきます。
そして、今まで自分にはできないと
思いこんでいて、あなたに押し付けて
かわりにやらせていたことだったけど、
あなたが受け入れてくれないから、
親はもう自分でやるしかなくなって、
仕方がなく重い腰を上げて行動し始めます。
親の心境としては
前向きではないけども、
それでもいいんです。
親のやるべきことを
親がやっていることが自然な状態で、
子どもであっても他人なあなたが
かわりにやっていることが
異常なのですからね。
最初のきっかけはどうであれ、
自然な形に戻すことが重要なんです。
さらに、あなたも
「自分の生き方は自分で決める」
と考えてみてほしいのです。
親から何を言われても
自分の考えを優先してみてください。
ときにはうまくいかないこともあるでしょう。
でもそれはあなたの貴重な経験になり、
その先もっとうまくいくための
材料に使うこともできるはずです。
あなたは親から自立し、
親もあなたから自立する。
それこそが、
癒着をやめ、分離を果たした、
理想の親子の姿ですね。
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