COLUMN
ご相談事例
親から結婚を反対された時に自分らしい幸せを選ぶための「折り合い」の見つけ方
ご相談いただきました
お名前:非公開さん
コラムを読んで勉強させていただいております。
交際、結婚を反対されていることについてご相談いたします。
私はバツイチ、二人の子供は医学部と歯学部に入学し、それぞれ一人暮らしをしています。彼は、未婚で30代医師、15歳年下です。交際を始めて六年が経過し、お互いの生活が落ち着いてきたので、そろそろ結婚をと考えていました。
先日、彼が家族にそのことを話したら、親御さんから大反対されているとのことです。想定通りではありますが、孫が欲しいから反対、とおっしゃられても現実的には難しいと考えられます。
あちらの親御さんのお気持ちは想像できますが、子供を持つ持たないことも夫婦間の問題であり、また望んでも恵まれないこともあるのが実際のところと考えています。
親に孫を献上するために結婚はあるのではない、などとは相手方に言えませんが、私の子どもたちは実母実父である祖父母に大変可愛がられ、祖父母にとって孫が可愛いのは間違いのないことでしょう。
そう考えると、手詰まりに思えるのですが、折り合いをつけることはできるのでしょうか。
彼はもともと子どもを望んでおらず、私の子どもたちとも良好な距離感で接しています。
取り留めのない話となってしまいましたが、今後どのように考えて行動すべきか、客観的なアドバイスをいただきたくお願いします。
お答えいたします
こんにちは
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
このたびは、
ご相談をお寄せいただき
ありがとうございます。
お気持ち、
とてもよくわかります。
長く交際を続けてきた
大切なパートナーとの結婚を
考えた矢先に、
彼のご両親から反対されて
いるという状況ですね。
特に「孫が欲しい」という
理由での反対は、
それを叶えることは現実的に
難しいと感じられているあなた
にとって、非常に複雑な
心境だと思います。
結婚を認めてもらうことだけが「折り合う」という状態になるわけではない
親と子どもの関係において、
精神的な分離というプロセス
はとても重要です。
特に成人した子どもにとって、
自分の人生の選択は自分自身
が決めるものです。
結婚を反対するご両親は、
おそらく彼に対して
「理想の家族像」という過大な
期待を抱いているのでしょう。
孫への期待もその一部です。
現状では、彼のご両親に
「結婚を認めるか、認めないか」
という二択を提示している形に
なっていると思います。
その二択だと、親は自身の願望を
実現するために「結婚を認めない」
という選択をし続ける可能性が
高そうですね。
ここで、あなたや彼が
受け入れられる「折り合い」を
つけていくためには、
「結婚を認めるか、認めないか」
という二択を提示している状態を
変えていく必要があるように感じますが
いかがでしょうか。
ここで問題点を整理しましょう。
結婚はそもそも、
結婚をしたいと考える当事者の権利です。
当事者以外の人たちには
結婚を否定する権利も
やめさせる権利もありません。
とすると、
問題のある行動をしているのは
親だということになりそうです。
ただし、
その親に「結婚を認めてほしい」
という願望や期待を抱いているなら、
親の問題行動を助けてしまっているのかも
しれません。
子ども側:「結婚を認めてほしい」
親側:「結婚を認めたくない」
これではこの先もずっと
親の考えは変わらず、平行線を
辿ってしまう可能性が高そうです。
そもそも問題の原点は、
子どもに親の過大な期待を
押し付けているというところです。
もしかしたら、親は子どもの人生は
親の人生の一部だと考えているかも
しれませんし、
親の幸せは、子どもが作るべき
と無意識的に思っているのかもしれません。
とすると、
「折り合い」をつけていくためには
そんな親の間違った考え方を
変えてもらう必要があるでしょう。
そのために、まずは、
「結婚を認めるか、認めないか」
という今までの選択肢の提示をやめて、
たとえば、
「子どもに親の過大な期待を
押し付け傷つけるのか、
それとも子どもの決断を尊重するのか」
という選択肢を提示すること、
さらに続いて、
「子どもを傷つけて遠ざけるのか、
それとも良好な親子関係を築いていくのか」
という選択肢を提示することで、
親の考えは変わっていく可能性が
高まっていくかもしれません。
新しいゴールは、彼のご両親が、
たとえ望む孫が得られなくても、
子どもの幸せな選択を応援できる
(せざるを得ない)状態を作ることです。
この状況で最も大切なことは、
まず彼自身が自分の本心を見極め、
どんな状態を目指したいか、
そのために何をすべきかを明確に
することだと考えますがいかがでしょうか。
新しい「折り合いの形」をつくっていくための考え方
新しい「折り合い」の形を作っていくための考え方をいくつか紹介します。
考え方1 自分自身が幸せな気持ちで生きることを優先する
私たち人間は、無意識的に
「幸せになる」という目標を
持って生きています。
やりたいことをして、
やりたくないことは減らしながら
生きていくことで
「幸せ」を感じられる場面が
増えていきます。
反対に、
誰かの意向に従うだけの人生や、
自己犠牲ばかりの人生は、
心に大きな負担をかけ、
不幸の原因になりがちです。
彼もあなたも、
「自分は何のために生きているのか?」
と自問自答してみましょう。
その答えの中に、
彼とあなたにとっての
本当の幸せの形があるはずです。
ご両親の意向も尊重したい
気持ちも大切ですが、
最終的には二人の幸せを第一に
考える視点を忘れないでください。
考え方2 親と自分は別の人生を生きる存在だと捉える
親が幸せになるのは、
親自身の努力によるものです。
子どもが親を幸せにする責任はありませんし、
実際にそうできるものでもありません。
なぜなら、
親が幸せだと感じるかどうかは、
最終的に親自身の心の持ち方に
よるからです。
「孫がいなければ幸せになれない」
と考えるのも、
「子どもの幸せが自分の幸せ」
と考えるのも、親自身の選択です。
彼もあなたも
「自分が幸せを感じられるのはどんな時か?」
と自問自答してみると、
答えが見えてくるでしょう。
彼と親との関係、
あなたと彼のご両親との関係を
それぞれ独立したものとして捉えながら、
自分自身の幸せを
大切にしていく姿勢が重要です。
考え方3 親が子どもの決断を否定し、傷つけ遠ざけているという事実を明るみに出す
彼のご両親は、
本当は彼を傷つけてまで
孫が欲しいわけではないかも
しれません。
多くの親が
結婚に反対する時、心の奥では
「不安を取り除いて安心したい」
という気持ちがあります。
今回の場合は、
「孫を持てないなんて嫌だ、孫を作ってくれ」
という願望があるのでしょう。
しかし、その願望が強くなるほど、
実は大切な息子の心を傷つけている
という事実に気づきにくく
なっています。
過大な期待や願望は
心の余裕を奪い、現実が
見えなくなっていくものです。
そんな時は、彼自身が
「親の言葉や態度で傷ついているし、
このままでは安心して関わっていけない」
と率直に伝えることが大切です。
ただし、気持ちは伝えても
わからせる必要はありません。
わからせようとすると、結局は
「わかろうとしない親」を目の当たりにして
また以前の平行線を辿る状態に
戻ってしまうからです。
気持ちは伝えるだけで、
あとは伝えた言葉に合わせた
態度と行動を見せていくことが重要です。
これは親を否定することではなく、
親の言動が子どもを傷つけ、
親子関係を悪化させている
という事実を明確にすることです。
それによって、
ご両親が現実に気づき、
考え直すきっかけになれば、
新しい親子関係の形が見えてくるはずです。
本当の「折り合い」とはどんな状態なのか?
親子の良好な関係とは、
互いの違いを認め合い、
それぞれの考えや決断を尊重し、
お互いに配慮のある関係を言います。
本当の「折り合い」とは、
彼のご両親が単に結婚を認める
ということではなく、
彼との関係自体を見直し、
彼の幸せを優先できる関係に
親自身が変化していくことではないでしょうか。
支配されず、自己犠牲をせず、自分が幸せだと感じられる人生をつくってください
長い交際を経て、
お互いの理解と信頼を築いてこられた
あなたと彼の関係は、
とても貴重なものだと思います。
そして、
あなたもお子さんを育て上げ、
彼も医師としての道を歩み、
それぞれが自分の人生を
真剣に生きてきた大人同士です。
これからの人生において、
誰かの期待や思惑に
支配されるのではなく、
自分たちの幸せを第一に考えた
選択をしていくことが大切です。
時には、周囲との関係で
困難に直面することもあるでしょう。
しかし、それらを
二人で乗り越えていく過程こそが、
かけがえのない絆をより強く
していくのだと思います。
最終的に、「親孝行」とは
親の言うことに従うことではなく、
自分自身が幸せに生きることで、
親が安心と喜びを感じ取るという
お互いの歩み寄りの上に
あるものなのかもしれません。
あなたと彼が、お互いを
大切にしながら、自分たち
らしい幸せな道を見つけて
いかれることを心から応援しています。
親子関係カウンセラー
川島崇照
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