COLUMN
コラム 過干渉で困る
親の過干渉がさらに悪化する対処方法3つ
過干渉な親は心が充(み)たされていない
まずは『幸福』とは何か?
というお話からしていきます。
過干渉に対処していくうえで
非常に重要な知識ですから
しっかりと押さえておいてください。
『幸福』の形は
人それぞれ違います。
価値観が違えば、
何を幸せに感じるのかということも
違ってくるということです。
だから、人の数だけ
幸せの数もある
ということになります。
『幸福』という感覚を
さらに細かく見ていきましょう。
『幸福』には
これだけの要素が
含まれています。
- 1.自分が必要とされている存在だと思えているときの自己重要感
- 2.自分の考えや価値観を認められているときの自己肯定感
- 3.自分で考えて決めながら生きられているときの自己効力感
この3つが合わさって
『幸福』という状態が
形成されると言われています。
そして、
上記の3つの感覚は
自分自身で努力をするしか
手に入りません。
誰かに頼っても、
誰かにお願いしても、
備わらない感覚なんです。
この3つの感覚があるときは
安心を感じられていて
自分に自信も持てているはずです。
心に余裕が持てるので
問題が起こっても
冷静に対処することが
できるようになります。
今のあなたは
幸福を感じられていますか?
自己重要感
自己肯定感
自己効力感
この3つの感覚を持てていますか?
さあ、それでは
本題の親子関係の
お話をしていきましょう。
もし、あなたが親から
過干渉をされているなら、
自由を制限されていたりして
毎日、ツラくて、悲しくて、
生き苦しい状態になっている
のかもしれません。
そんなときには
幸福という感覚も
自己重要感と
自己肯定感と
自己効力感。
この3つの感覚も
持つことができていない
かもしれません。
親はなぜ子どもに
過干渉をするのでしょうか?
親が過干渉をするのは、
じつは親自身も幸福を
感じられていなくて、
しかも、
自己重要感
自己肯定感
自己効力感
という感覚を
持てていないからです。
過干渉をしていても
心は充たされません。
充たされないから
自信も持てなくて
不安を暗視に変えられなくて
ストレスを感じてしまいます。
そして、そのストレスを
親自身の力で解決するのではなく、
子どもを利用して解決しようとするときに
よくやるのが『過干渉』なんです。
過干渉をする親は、
「子どもが幸せにしてくれない」
と嘆きながら、
被害者意識を感じて腹が立ったり、
不安を感じて悲しくなったりしています。
過干渉な親は自分のことが心配でしょうがない
親があなたに干渉するのは
親のさみしさを子どもを利用して
紛らわせようとしている
からかもいしれません。
あなたの恋愛に
いつでも口出しするのは
孤独感をに紛らせようと
しているからかもしれません。
結婚して数年経っても
まだあなたのパートナーを否定するのは、
大切な依存先である
『あなた』を取り戻そうと
しているからかもしれません。
過干渉な親というのは、
子どものことを
いつでも心配しているかのように
言うかもしれませんが、
じつは自分のことが
心配でしょうがないのです。
そんなときの親は、
いつも子どもを手元に置いておいて、
自分が心配しないで
良い状態を作ろうとします。
子どもの生き方に口を出し、
子どもの気持ちを否定して
親の気持ちを押し付けたりします。
過干渉な親は
孤独感や疎外感から感じる不安を
子どもに過干渉にすることで
打ち消そうとしています。
これが過干渉の正体です。
親の過干渉が強くしてしまう間違った対応3つ
1.親に許可をもらおうとする
親から否定されたくなくて
親が認めてくれそうなことだけを
やっている人がいます。
その他にも、
親から許可をもらえなければ
やりたいことを我慢して
あきらめている人もいます。
そうやって、
親が良いと思うことだけをやり、
親が悪いと思うことを避けていると、
親はいつでも自分の思う通りの
状態がつくられることになります。
子どもを自分の思い通りに
できている親は、
自信や達成感に似た感覚を覚えるのですが、
それは錯覚です。
自信や達成感というのは、
自分自身の努力が
成果に結びついたからこそ
得られる感覚であって、
他人をコントロールして
他人に努力をさせたとしても
手にすることのできない
感覚です。
親が感じているのは、
子どもが親の理想から外れていかない
ことによって不安が減っているために感じる
『偽の自信や達成感』です。
親は子どもを利用して
不安を減らしているので
自分自身を幸せにするための
力が増えていきません。
だから、いつでも
子どもを利用していないと
いけない状態になってしまうので、
ますます親の過干渉が強くなっていきます。
2.親にわからせようとする
親にわかってもらおうと思って
何度も説明や説得を繰り返している
人たちがいます。
わかってもらえたら
許してもらえるのではないか
と考えて、
何度も事情を説明し、
何時間も費やして、
親に関わっています。
でも過干渉な親は
子どもの気持ちや考え、
事情というものを
わかろうと努力する
ことができません。
なぜなら、
わかってしまったら
子どもが親の理想から
外れて知ってしまうと考えて
不安になるからです。
だから、
わかろうとするよりも
否定することを
繰り返します。
さらに、親の考えを
押しつけたりしながら
親の知らない子どもにならないように、
親の知っている子どものままにしておこうと
コントロールしようとします。
そして不安が強くなった親は
早く心を充足させたくて
子どもへの監視を強くするように
またさらに過干渉も強くしていきます。
3.親と喧嘩をする
あまりにも毎日のように
干渉されていれば
いつかは我慢の限界を
超えてしまう人もいるでしょう。
そんなとき、
怒りが込み上げてきて
つい親と喧嘩をしてしまう人も
いると思うのです。
いつも我慢していた分だけ
喧嘩になってしまえば
止まらなくなって
しまうかもしれません。
親を否定したくなるし、
親がいかに間違っているのかを
わからせたくなって
しまうかもしれません。
でも、親も引き下がりませんよね。
過去の話にすり替えたり、
関係のないことを話し始めたりして、
何が何でも子どもに勝とうとして
親にとって有利な話題にしたりします。
さらに、
「子どもから傷つけられた」
「子どもから裏切られた」
「子どもからひどいことを言われた」
と周囲に言い回って、
被害者を装うことだって
あります。
親子喧嘩に子どもが勝つことは
とても難しいことです。
生んでやったこと、
育ててやったこと、
お金をかけてやったこと、
こんなことを言われて
平気な子どもはあまりいません。
親は自分が喧嘩に勝って、
子どもが負ければ、
親はますます自分が正しかった
と思って自信をつけます。
さらに、
やっぱり子どもが間違っていた
と思ってやっぱり
自信は強くなっていきます。
喧嘩に勝った達成感から
心が充足しているかのように
錯覚してしまいます。
そして、
自身をつけた親は
ますます過干渉になっていきます。
過干渉をしている親は生きる力を失っていく
不安だから
子どもの行動を監視して、
不安だから
子どもに考えを押しつけて、
不安だから
子どもと喧嘩を繰り返す、
そんなふうに、
不安の処理をいつも子どもに
依存していても
親の心の問題は解消されていきません。
解消されないばかりか、
問題はもっと深刻になっていきます。
何か嫌なことがあったときには、
自分の力で気分転換をするなど
していかなければなりません。
いつでも誰かに頼れるわけではないので
自分の心の世話をできるようになっていないと
生きることが苦しくなってしまいます。
それなのに、
子どもに八つ当たりをするとか
子どもを相談役にするなどしているとか、
そんなことをしていれば
いつまでたっても
子離れができなくなってしまいます。
子ども無しでは
生きられなくなってしまいます。
心の問題というのは、
その問題の持ち主自身が
真剣に向き合わない限り
改善していきません。
その心の問題から感じるストレスを
他人にぶつけていても
何の解消もしていきません。
それなのにあなたが
親が過干渉に関わってきているのに
我慢して従ったり、
どうせ無理だと思って
関係性を何も変えないで
いたりすると、
親ばかりではなく、
あなたも生きる力を
失ってしまうかもしれません。
いつでも親の顔色ばかりを気にしていれば、
自分が本当に何をやりたいのかが
わからなくなってしまうことはよくあります。
やりたいことがあっても
今まで自分で考えて決めて、
行動してきた経験が少ないので、
自分に自信が持てなくて
最初からあきらめているような人も
たくさんいます。
もし、あなたもそのような状態に
なっているのだとしたら、
過干渉にされてきた影響が出ている可能性が高いです。
恐怖心や罪悪感を感じて
渋々親の言う通りに
動いていると、
たまには親の機嫌が良くなって
否定されたり、干渉されることを
回避できるかもしれません。
だけど、、、
親の心の中にはもっと大きな
依存の気持ちが出てきます。
「もっとしてほしい」と
以前よりも大きく期待を
膨らませます。
あなたが親の求め通りに
行動することがあたり前になっていれば、
さらに大きな期待をかけて
依存してくるということです。
結局、親はいつまでたっても
あなたの力を利用するので、
自分自身で努力することなく
本当の自信や達成感を得られることはありません。
それどころか、過干渉は
もっとひどくなっていきます。
親の幸福は『親』がつくる
もし、親があなたに
依存できなくなれば
どうなるでしょうか?
今まで依存先だったあなたが
いなくなるということは、
親は自分のことを自分でしなくては
ならなくなるということです。
自分の問題を自分の力で解決するとか、
自分の力で気分転換をして不安を減らすとか、
もしかしたら、
誰にも頼ることができなくて
悩むかもしれません。
でも、そこに
親自身が生きる力を
増やしていくためのヒントがあります。
大切なことは、
親自身が自分で悩みながら
答えを見つけていく
ということなんです。
悩むから答えを見つけようとするし、
不安になりたくないから気をつけたりもします。
親が自ら悩んで
自分の心の問題を
解決していこうとすることが
とても大切なんです。
親が自分自身で
努力をするからこそ
この3つの感覚が手に入って
幸福を感じることが
できるようになります。
- 親が自分自身の居場所や居心地の良い人間関係をを自分の力でつくり、心が充たされていることで自己重要感を高めていく
- 親が他人と自分の違いを知り、自分自身の考え方や価値観を肯定的に受け入れることで、私は私であっていいという自己肯定感を高めていく
- 親が自分自身で考えて決めて自分の人生を生きていくことで自己効力感を高めていく
この3つが感じられるようになれば
親は自分の力『幸福』を
感じられるようになって、
子どもに過干渉をする
必要がなくなっていきます。
ただし、親が考え方を変えるには
少し時間がかかるかもしれません。
しかし、だからといって
なにも手を打たないと
状況はどんどん悪化していきます。
いつかはじめようと思うよりは、
今日始めめてしまったほうが
問題解決は早くなります。
気づいたときが
あなたが親から自立する
最善のタイミングとなります。
過干渉な親への対処方法の大原則は、
「過干渉を受け入れていた今までのあなたが、
過干渉を受け入れないあなたに変わる」
ということです。
あなたが親の過干渉を
受け入れない人になるということは、
同時に親が誰にも依存できず
自立した心の持ち主になれる
第一歩でもあるということです。
まずあなたが親から自立できることは何かと考えてみましょう。
親が自分の力でやっていけることは何かと考えてみましょう。
子どものあなたが親にやってあげなくてもいいことは何かと考えてみましょう。
親もあなたも
心の自立を果たし、
近づきすぎず、
適度な距離を置いて
生きていくことが大切です。
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