COLUMN
コラム
母親のことが嫌いなのに離れられない5つの罪悪感
本当は母親のことをしんどいと思っていて嫌で嫌でしょうがないのに、言うとおりに動いてしまいます。
断ることに罪悪感を感じます。
母親の要求に応えないとダメなような気がしてなりません。
この気持はなんなのでしょうか?
なぜ、わたしはいつも母親の言うとおりにしてしまうのでしょうか?
これ、親子関係で苦しんでいる人たちからよく聞かれる言葉です。
そもそも罪悪感とはどんな感情なのでしょうか?
この感情は誰もが持っているものです。
罪悪感はとても重要な感情です。
この感情がないと人を傷つけても、悪事を働いても、平気になってしまいます。
罪悪感を感じることができないと人間は成長できません。
誤ちを認めて、よりよい自分になろうと思えるのは罪悪感があるからです。
しかし、、、
その罪悪感がときには逆効果に働いてしまうことがあります。
親に罪悪感を感じて我慢したり、本当は嫌なのに従順になっていたり、
こんなこをしていれば親はどんどん強くなっていくでしょう。
親に罪悪感を感じている状態は、親に支配されている状態と一緒です。
母親の要求を断れなくなる5つの罪悪感
あなたが親に罪悪感を感じているとき、親との間にはある一定のパターンが存在するはずです。
下の項目から自分に当てはまるものがあるかどうか確かめてみましょう。
- 母親は罪悪感を煽るようなことを言ってくるのでつらくて要求どおりにしている
- 母親の要求するとおりにはしたくないが、だからと言って本当の気持ちや考えを言えば傷つけてしまいそうで罪悪感を感じて伝えられない
- 私は母親に「苦労をかけられた」と言われるので、せめてもの償いとして要求に従っている
- 罪悪感を感じないように何か言われる前に母親が期待していそうなことを察知して私の方から動いている
- 母親は高齢(他には病気など)なので、私は自分を優先して自由に生きることに罪悪感を感じる
上の5つのパターンで共通していることは、どれも〈罪悪を感じて母親の要求を受け入れている〉というところです。
実際には親子の数だけパターンがあるでしょう。
この5つに当てはまらないあなたオリジナルのパターンもあるかもしれません。
なぜ、あなたは罪悪感で身動きがとれなくなっていくのか?
そもそも、なぜ罪悪感を感じてしまうと身動き手取れなくなってしまうのでしょうか?
身動きが取れなくなっていくには3つの段階があります。
[段階1]母親の期待は依存に変わっていく
母親は昨日も受け入れてもらえたのだから、
今日も受け入れてもらえるはずだと考えます。
今日も受け入れてもらえたのだから、きっと明日もまた受け入れてもらえるだろうと考えるでしょう。
母親も自分のしていることを正しいと信じています。
あなたを傷つけているとは微塵も思いません。
期待は徐々にエスカレートして[依存状態]に変化していきます。
母親は自分自身でなんとかしようという発想が持てなくなっていきます。
何かをやらせようとすることばかりでなく、
孤独感をあなたで解消しようとしますし、
怒りをぶつけるなどのストレスの発散先としてもあなたに依存しようとします。
母親が子どもに依存して、過干渉や過保護などの心理的暴力を行っているケースはとても多いのです。
▼
[段階2]母親の期待はルール無用に変わっていく
いつでも期待どおりになるあなたは母親にとって都合のいい存在になっています。
母親にとってはあなたが期待どおりになることは、
もうすでに[当たり前]になっているかもしれません。
母親は、あなたとの間に境界線を引くことができず、
あなたへの期待は高めていきます。
期待の高まりとともに、
母親はあなたのプライバシーや個人の考え方を尊重すること無く、
ルール無用の状態になっていきます。
「あれもしてもらいたい、これもしてもらいたい」(依頼)
↓
「きっとしてくれるはず」(確信)
↓
「やって当然だ」(命令)
最初、母親の言っていたことは[依頼]だったのかもしれません。
しかし、あなたが期待を受け入れているうちに徐々に[確信]を持ちはじめ、最終的に[命令]に変化していきます。
▼
[段階3]期待を裏切ろうとする者には罪悪感を植え付ける
親子といえども価値観も考え方も違う個人どうしです。
それなのに、母親は自分の考えが正しいと思い込んでいます。
そして、あなたがその考えに従うことを当たり前だと思い込んでいます。
しかし、あなたもどこかで我慢の限界を迎えます。
腹が立って反発したことも一度や二度はあるかもしれません。
そんなとき、親はあなたの考えを否定します。
母親の期待に背くことがいかに罪なことなのかを様々な言葉で訴えるでしょう。
「〜して当たり前だ」
「そんなこと常識だ」
「何でそんなこともわからないんだ」
「親不孝者」
「何で親の気持ちがわからないんだ」
「おまえのためにやっているのに」
「おまえのために言っているのに」
「おまえには苦労させられた」
「おまえのために〜を我慢していたのに」
「〜できなかったのはおまえのせいだ」
こんな言葉をいつも聞かされていれば
心の中は罪悪感でいっぱいになっていきます。
これまでの母親との関係のなかで、あなたは罪悪感を利用されてコントロールされてきた可能性があります。
最初はほんのちょっとしたことからはじまったのかもしれませんが、それがいつしかあなたの感じ方や考え方の思考にまで影響をおよぼしていたのかもしれません。
だから、いつでも罪悪感を感じて母親の要求を断れず、いつでも都合よくつかわれていたのかもしれません。
あなたがやりたいと思って親に協力していくことは悪いことではありません。
しかし、罪悪感を感じて、自分の気持ちや考え方を曲げてまで親に付き合うことは、自ら支配してくださいと言っているようなものです。
自分を守るエコロジーチェック
エコロジーチェックとは、自分の考えを間違っていないかどうかを客観的視点でチェックする方法です。
ステップ1 罪悪感を感じさせている原因を探る
「私が罪悪感を感じるのはなぜだろうか?原因はなんだろうか?」と自分に問いかけてみましょう。
●あなたに罪悪感を感じさせているのは誰ですか?
●その人はどんなことを言っていますか?
ステップ2 原因の妥当性を確認する
「私に罪悪感を感じさせている人が言っていることは客観的に見て正しいのだろうか?」と自分に問いかけてみましょう。
●その人が言っていることは誰が聞いても正しいですか?
●矛盾しているところはありませんか?
ステップ3 新しい行動を考える
罪悪感の原因となっている人が言っていることが正しくないとわかったら、
今度は「私は今後どんな行動を取っていけばいいのか?」と自分に問いかけてみましょう。
●あなたが今後親の過度な期待(依存)を受け入れないためにできることはなんですか?
●あなたが思ったとおりに行動していくために改めることはなんですか?
母親に罪悪感を感じているとき、あなたと母親のあいだに何が起きているのかを冷静な目で観察しましょう。
親の言葉にまどわされず、自分の感覚を信じてみましょう。
そして感じる腹立たしさや悲しみの感情があなたに危険を教えてくれていることを受け入れましょう。
あなたが母親の要求を受け入れていれば、母親はまた期待しようとします。
期待はいつしか依存に変わっていき、
さらに苦しい状態を招くでしょう。
結果、あなたも親も自立することはできません。
あなたが親の支配から抜け出すにはこれまでの悪しき親子関係のパターンを知ることです。
あなたがあなたらしく生きるためには自分の気持に正直になって、母親の要求を受け入れず、思ったとおりに行動してみることです。
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